言葉にすると何と言えば良いのか分かりませんが、エナメルバッグの表面が写真のように白っぽくなり色も艶も変になってしまったバッグの修理事例となります。
シャネルのバッグに多い現象のような印象があります。(依頼が多いのがと言う所感です。)
エナメルバッグの表面が白くなる
この現象が起こってネットで調べる方は多いと思いますが、当店にご相談された方は、
- エナメルが曇った
- エナメルがカビて白っぽい粉が出ている
- エナメルが剥がれてしまった
- エナメルが白っぽく変色した
などなど、伝え方は様々なこの現象です。
原因がエナメル膜の劣化の場合
恐らくですが、この現象はエナメル膜が劣化して起こっている現象だと思います。
エナメルが劣化すると、上の写真のような白濁が発生したり、エナメルのべたつきが発生したりと様々な現象が起こります。
エナメルの劣化が原因だとすると匂いの変化は特にないです。
この場合は修理が出来ると思いますが、この状態を長年放置していると表面がザラザラになったりボコボコしてきたりする場合があり、そうなると修理をしてもあまり綺麗になりません。(色艶は良くなりますが、表面の凹凸は残ってしまう為。)
原因がカビだった場合
原因がカビだった場合も似たような見た目になる時があります。
ただ、カビの場合はエナメルの表面上だけではなくバッグの内部などエナメル以外の部分もカビが発生している事があります。
また、カビ独特の匂いも発生しますので比較的カビの判断は容易だと思われます。
カビの修理については表面上の対応は可能なのですが、革の内部やパーツの外側と内側の間はどうする事も出来ない為、匂いが残る事もありますし、その後カビが再発する可能性も高いです。
カビは革の内部に浸食している事が多いですが、表面は除去出来ても内部のカビの根源は除去する事が出来ないので再発率が高くなります。
白濁したエナメルバッグのご紹介(修理前)
それでは今回修理するエナメルバッグをご紹介となります。
ブランドはCHANEL(シャネル)となり、少々大きめです。
ブランドロゴ部分がかなり白濁していますが、サイド(マチ)も薄いですが白っぽくなっている部分があります。
光も写ってしまって見にくいですが、写真にてご覧下さい。
裏面には白っぽくなっている部分はありませんでしたが、一部何かの色が付着している所があります。
こちらも合わせて修理をしております。
白濁したエナメルバッグの修理後
今度は修理後の写真となります。
修理前の写真同様に白濁しているのか光なのかが微妙に分かりませんがご了承下さい。
このような仕上がりになります。
白濁している部分ですが、エナメルの表面としてはそこまで傷みが発生しておりませんでしたので、ほとんど白濁していたのが分からないようになりました。
また裏側の塗料汚れもわからなくなっております。
白っぽくなった部分は拭いて取れるの?
最後にご質問への回答になります。
白っぽくなった部分をエナメルのクリーナーや艶出し剤で改善するかどうかですが、
「改善はしません!」
一時的に白っぽいのが薄くなる事はありましたが、直ぐに元に戻るような感じでした。
当店では色付けしてエナメルコートをしている為、再発する事はないと思いますが、市販のクリーナー等では元々の色艶を復元する事は難しい現象です。
今回は以上となります。
同じ現象でお悩みの方は是非当店にご相談下さい。
最適な修理方法をご提案いたします。