革製品の艶が落ちてしまった。スレて本来の色とは変わってきてしまった。
今回はそんなお悩みをお持ちの方向けに革への補色や補修についてご紹介致します。
革の艶が変化する事により色味が変わる
革には光沢感のある革や、マット感(艶消し)された革など艶の違いにより様々な見た目がありますが、今回写真で紹介したスマホケースは艶感が落ちた事により元々黒い革が白ボケっぽく見えていると思います。
色々な要因が考えられますが、コーティング層がスレ等により劣化をして起こっている場合や、表面に汚れや油分等の付着物がある場合などが考えられます。
その時の状況に応じて対策が必要となります。
付着物が多い場合は基本的にクリーニングで復活・復元が可能と思われます。汚れを取り除く事で本来の色味や艶が出てくる為ですが、これも早い段階でキレイにしてあげないとやがて付着物はシミ等の沈着汚れに変わってしまい、クリーニングだけでは対応出来なくなってしまう事になります。
次にスレ傷等による表皮へのダメージで起こっている場合は、市販のクリーナー等で拭きとったとしてもほとんど改善がされません。これは原因が「汚れ」ではない為です。
汚れではないのに、必死にクリーナー等で表面をゴシゴシしてしまうと、ただでさえ弱っている表皮が余計に傷んでしまう可能性もありますので、十分に注意して下さい。
市販のクリーナーで拭いた時に色が落ちてしまう
クリーナーを使ってご自身でメンテナンスされる方は多くいると思いますが、その時に布巾に革の色が付いてしまった経験があると思います。
革は本来着色された物であれば、ある程度色落ちする可能性がありますので軽度であれば想定の範囲内かと思われます。
問題なのは、かなりがっつりと色が付着した場合や、適正なクリーナーを使用していない場合です。
市販のクリーナーは「使用方法」「使用可能な革の種類」をしっかり守って使うようにして下さい。
ココに注意
例えば、スムース革に使えるクリーナーを「エナメル革」に使用するとエナメルの透明感のある光沢が曇ってしまいます。
傷埋めや補色が必要ならば当店などの革製品修理専門店へ
傷埋めや補色をする場合はなかなかご自身のメンテナンスでは難しいのが革製品です。
このような対応が必要と判断した場合は革製品の修理専門店にお任せした方が良いかと思います。
当店でも対応可能ですので、是非下記の修理事例をご参考にして頂ければと思います。
CHANELスマホケースを補色しました
それでは当店で修理した事例をご紹介致します。
まずは修理前の写真をご覧下さい。
スマホケースですのでポケットに入れる時などに角や縁が良く擦れてしまうかと思います。ですので、写真で見ても分かる通り白っぽく表面が変化しています。
大きな傷はありませんが、既に表皮がかなり削れていましてクリーナーで拭くと色が布地へ付着するレベルです。
次に修理後の写真となります。
このように角や縁のスレている部分は表皮を整えながら色艶を良くしています。
このような仕上がりになります。
ただ単に補色するだけではなく、きちんと表皮を作り色を入れる事で今後の耐久性や見た目の色艶も良くなります!
今回はスマホケースでしたが、財布やバッグでも同様となりますので、是非同じようなトラブルでお悩みの方はお気軽にご相談頂ければと思います。