いつも持ち歩いている必須アイテムの財布です。この財布が汚れてしまったり、部分的に剥がれてしまったりすると非常に気になりますよね。
例えば、、、
こんな感じ。
表面は黒ずみ、縁の部分はスレてしまい、部分的に表面が剥がれてしまっています。
安い財布ではありませんので長く使う事はとても大切ですが、傷みが多い財布は金運も低下してしまいそうですね。
でも、こんな状態でも修理をすれば、
このくらいキレイになります!!!
と言う事で、サンローランの財布修理についてご紹介致します。
サンローラン修理前の財布状態
先程も書きましたが、修理前の状態をおさらい致します。
まず正面と裏面です。
ちょっと分かりずらいかも知れませんが、白っぽく見えている部分が元に近い色ではあります。ただ、これは元の色が残っている訳ではなく、表面の塗膜が剥がれている状態です。
なぜ塗膜が剥がれたかは分かりませんが、最近修理依頼が多いアルコールでのトラブルも同じような事が起こります。
財布やバッグ等の革製品は土台となる革→色付けされた塗装膜→コーティング膜とざっくり言えば3層構造ですが、アルコールは一番上のコーティング膜を溶かしてしまいます。そして、このコーティング膜がなくなって塗装膜が剥き出し状態ですと、塗装膜も溶けてしまいますし、そこまではセーフだったとしても革を守ってくれているコーティング膜がない為に、汚れやシミが付きやすい状態になってしまいます。
除菌スプレーや除菌ウェットティッシュなどはアルコールが含まれた製品と含まれていない製品があります。アルコールが含まれた製品は革製品では絶対に使用しないように注意して下さい。また、含まれていない製品ならば問題ない訳ではございませんので、色落ちしないかを良く確認して下さい。革製品には革専用のクリーナーをご使用して頂く事が一番望ましいです。
こちらは少し角度を変えた同じ財布となります。表面の塗膜が剥がれていたり、汚れが付着しているのが分かるのと、蓋裏の色とのズレが生じているので外側は全体的に黒ずみや汚れで変色してきているのが分かります。
この財布の問題は塗膜剥がれ
修理の中で一番の問題は塗膜が剥がれている事です。
このまま色付けをしても、塗膜が剥がれた部分と剥がれていない部分で段差が出来てしまい修理痕がはっきりと分かってしまいます。
と言う事で、普段はあまり行いませんが、可能な限り塗膜を剥がして極力段差が残らないようにしたいと思います。今回は実物を見て「剥がす」と言う判断になりましたが、全てが全て同じような対応が出来る訳ではございません。素材等により出来ないと判断する場合もありますのでご了承下さい。
サンローラン財布の修理後
それでは先程1枚だけはお見せしましたが、修理後を写真にてご紹介致します。
正面と裏面の写真です。塗膜剥がれが起こっていた場所も凹凸が残る事なくしっかりと仕上がっております。
色についても内側の汚れていない部分に合わせて、修理前よりも明るくなりました。
蓋を開いた状態の写真を見て頂ければ内側との色ズレはほぼない仕上がりなのが分かるかと思います。
※内側は今回修理をしておりません!
コーティング膜は今回のように剥がれていますと革にはデメリットだらけの状態となります。
この膜を全て剥がせばキレイになるんじゃないか?と思われる方もいると思いますが、革にとってはノーガード状態ですので大変危険です。
財布に汚れが付着して除菌用ウェットティッシュやアルコールスプレーを使う事は絶対にしないように注意して下さい。
また、同じような塗膜剥がれが起こった場合も、その部分はノーガードですのでお早めに修理をして下さいね!