ルイヴィトンの「ヒューストン」バッグについて修理のご案内となります。
ヒューストンはルイヴィトンのヴェルニラインとして販売されて、当初はかなり人気が高いバッグとなりました。トートバッグでサイズ的にも持ちやすく、持ち手も多少長い事から手持ちでも肩掛けでも使えます。
このサイトをご覧頂いていると言う事はご存知の方がほとんどかと思いますが、このヒューストンについての修理事例をご紹介致します。
エナメル(パテント)部分のリカラー・カラーチェンジ・染め直し・色変えなどをご検討の方は是非最後までご覧下さい。
ヒューストンで多い悩み・ご相談
当店に良くあるご相談として、
- 変色(色が変わった、日焼けした、違う色になった、色がまだらになった など)
- 色移り(隣のバッグの色がついた、レシートが転写された など)
- べたつき(触るとベタベタしている、埃が付いて取れない など)
- 剥がれ(エナメルが剥がれた、部分的に削れた など)
などがあります。
これはヒューストンに限った事ではないですが、エナメルバッグで起こり得るトラブルです。
1~3の変色・色移り・べたつきについては当店のリカラープランまたはカラーチェンジプランで修理が可能となります。
4の剥がれについては剥がれの状況、バッグの状態によってはお断りする場合もありますが、修理が出来る可能性もあります。
色移りや変色などを落とす方法はあるのか?
ヒューストンに限らず、エナメル製品で色移りや変色した物を落とす事が出来るかとのご相談も良くあります。
答えは「出来ない」です。
理由としては、変色はエナメル層(エナメル膜)が劣化して透明だったのが黄色っぽく変化している為、色移りはエナメル層の中に色を吸収してしまっている為となります。どちらもエナメルの表面上で起こっている訳ではなく、エナメル層の内部で起こっています。
ですので、いくらエナメルの表面を磨いたり、エナメル専用クリーナーを使ったりしても改善されないのです。
色々試してみたい方もいると思いますが、逆にエナメル層が傷付いてしまう可能性もありますので、そのまま専門店にご相談下さい。
べたつきはエナメルクリーナーで落ちるのか?
次にエナメルのべたつきについてです。
エナメルは経年劣化や湿気が高い所に置いていると加水分解を起こします。
エナメルの加水分解とは?
エナメルの加水分解ですが、エナメルはウレタン樹脂塗料となります。このウレタン樹脂塗料と水(湿気等)が化学反応を起こしてエナメルの表面が溶けたような状態になる事です。
加水分解を起こしたエナメルは触ると手にくっつくような感じや進行すると埃等が表面について取れないような状態になります。
これがエナメルがベタベタする原因です。
軽度な場合は市販されているエナメル専用メンテナンス用品のような物で軽減される場合はあります。
ですが、、、これは一時凌ぎにすぎません。
加水分解はエナメル膜の劣化ですのでクリーナー等で止める事はほぼ不可能です。
その為、当店での修理は塗膜層を再度作りべたつきを止め、さらにその上に新たなエナメル層を形成して仕上げております。
ヒューストンの修理事例
それでは革生活で修理した修理事例を写真にてご紹介したいと思います。
リカラープランでの修理・修復
リカラープランは、「元の色に近付ける修理」となります。バッグの物入れ部分にあるファスナーはそのままで修理出来ますので、ヒューストンの修理では一番安く仕上がります。
但し、ブランドカラーの完全再現は理論上不可能となります。あくまでも元の色に近付ける修理ですのでご了承下さい。
パールカラーについて
ブランドカラーにはパールが入った色もございます。こちらのパール加工もおおよそ取り揃えておりますのでヒューストンのリカラープランではパール加工込みでのご提示をしております。
カラーチェンジプラン
今度はカラーチェンジプランとなります。カラーチェンジプランは「別の色に変更する修理」となります。
問題となるのがファスナー部分の色です。こちらは選択オプションになりますが、革色と近い色で染め直す事も可能です。但し、布地の染めは元の色が影響しますので可能な限りの対応になります。
変更する色についてですが、細かいご希望がある方はサンプルを一緒に送って頂ければその色を参考に調色を致します。またはブランドカラーをお伝え頂いても大丈夫です。
変更できる色は濃くするのが前提となります。例えば元々赤のヒューストンを白に変更する事は出来ません。
カラーチェンジの修理事例は修理前の写真を割愛させて頂きます。(元々ヒューストンでは販売されていない色への変更です。)
オリジナルのカスタマイズ
ヒューストンの持ち手は「ヌメ革」となります。基本的にはナチュラルな革ですので素材を生かすためにはそのままが良いと思います。
ですが、ヌメ革も一緒に色付け等を行いオンリーワンのオリジナルバッグにしてしまう事も可能です。
ヌメ革部分も色付け等をする場合は選択オプションとなります。マット加工についても選択オプションとなります。
ヒューストンの修理価格(参考価格)
ルイヴィトンのヒューストンを修理した場合、どの位の費用になるのか気になるかと思います。
一応参考価格になりますのでご了承下さい。(2023年8月時点の価格です。)
価格体系の変更がある場合もありますので、一応LINEやメールでお問い合わせ頂ければと思います。
リカラープラン
リカラープランにはパール加工が含まれております。オリジナルにパールが含まれていない色の場合は2,200円引きです。
変色している場合:26,400円
ほぼ変色していない場合(※):24,200円
※色移りのみやべたつきのみの場合です。
カラーチェンジプラン
カラーチェンジプランにはパール加工が含まれておりません。
29,700円
選択オプションとして、
パール加工:2,200円
ファスナー布地染め:1,100円
こちらはご希望により選択可能となります。
その他の選択オプション
ヌメ革パーツの交換、ファスナー交換、内装交換は別途お問い合わせ下さい。
ヌメ革の色付け、エナメルマット加工についても通常のお問い合わせではお伝えしておりませんので、ご希望の場合はお伝え頂ければご案内いたします。
まとめ
ヒューストンバッグのエナメルトラブルでのお問い合わせやご依頼が多い為、このような「ヒューストン」に特化した内容でお伝え致しました。
エナメル素材は基本的に傷が付きにくいですし丈夫な素材ですので、エナメル部分のトラブルさえ解決が出来れば再び愛用出来るバッグになると思います。
また、ヒューストンが以前流行った時に使っていたが最近は使わなくなり、娘がそれを発見して綺麗にして使いたいと言う方も結構いらっしゃいます。
捨てずに使える物は使いたい(SDGsですかね。)と言う思いを、革生活ならお手伝いできると思いますので、是非ご相談・ご依頼を検討してみてはどうでしょうか。
お待ちしております!