バッグや財布にはエナメル製品がありますが、使用方法や保管方法を間違えてしまうとトラブルが発生してしまいます。
きちんと保管をしておいても気温や湿度によりエナメル膜が変色を起こしてしまう事もあります。
結構デリケートな素材ですが、高級感もあり多くのブランドでエナメルは使われております。
その中でも今回はCHANEL(シャネル)の長財布で修理をご依頼頂きましたのでご紹介となります。
CHANEL長財布の変色?色移り?
今回ご依頼の財布です。
一見どこが問題なのか分からない感じではありますが、少し角度を変えて見てみますと、、、
こちらならはっきりと分かりますね。
元々緑系の色ですが、部分的に黄色みが強く入っている部分があります。
エナメルの変色なのか色移りなのかはっきりとは分かりませんが、今回は元の色に近付けて欲しいとのご依頼を頂きました。
ちなみに出来ない事が1つありまして、財布を見ますと糸目が白系となっていますが、この糸目をそのまま残す事は出来ません。理由として変色修理の場合は糸目を隠して修理をすると、糸と糸の間の微妙な革部分には塗料がかからなくなります。そうしますと、何となく見た目が悪い仕上がりになってしまいますので、今回は不可とさせて頂きました。
糸目残しは別途料金にはなりますが出来る場合もございます。
エナメル財布を染め直ししてエナメルコート
それでは修理後の写真をご紹介致します。
ブログを書いていて気付きましたが、2枚目の写真は撮影向きが逆でした。(すみません。)
変色はこのように分からないレベルになったかと思います。糸目の色が変わってしまうのは残念ではありますが、それでも変色した財布を使い続けるよりかはキレイな財布の方が良いと思います。
別角度からも何枚か撮影してみました。
キレイに仕上がっているかと思います。
エナメルを変色しないようにする方法はあるの?
良くあるお問合せの1つですが、「修理してもまた変色するのが不安です。どう保管すれば良いですか?」と言われます。
残念ながら答えは「不可能です。」となってしまいます。
エナメルは「黄変」と言って、劣化し始めると透明だったエナメルが黄色っぽく変色してしまいます。これはエナメル塗料の特性でありまして、防ぐ事が出来ない現象でもあります。
また、元々海外向け・海外で作られた財布ですので、高温多湿の日本では黄変しやすい傾向にあります。当店で使用しているエナメル塗料は日本製ですので少なからず違い・耐久性は変わりますが、それでも特性ですのでいづれ黄変する可能性はあります。
少しでも長く使いたい方は、風通しが良い所で保管をして、他の革製品等に触れないようにする必要があります。箱の中やクローゼットの中は風通しが悪く、購入して1年くらいで黄変してしまった方もいるくらいですので、そのような環境で保管されている方は1~2ヶ月に1回くらいは外に出して日陰干しやメンテナンスをしてあげる事が少しでも劣化させない対策となります。
エナメルバッグやエナメル財布の黄変(黄ばみ)や色移りをしてお困りの方は是非一度ご相談下さい。
お待ちしております!