【ルイ・ヴィトン ヴェルニ】トンプソンストリートの変色修理。ベビーブルーの輝きをもう一度
ルイ・ヴィトンのヴェルニラインは、艶やかな光沢と豊富なカラーバリエーションが魅力のエナメル素材シリーズです。
その中でもトンプソンストリートは、コンパクトながら収納力があり、斜め掛けもできる人気のショルダーバッグ。
使いやすいサイズ感と上品な印象で、現在でもファンが多いモデルです。
しかしこのヴェルニ素材、実は変色しやすいという弱点があります。
今回は、ブランド特有のベビーブルーのヴェルニバッグが黄緑っぽく変色してしまった修理事例をご紹介します。
エナメルの変色でお困りの方に、修理でどこまで改善できるのかを詳しくお伝えします。
早速修理前と修理後で内側の元色との比較です。
エナメル素材(ヴェルニ)はなぜ変色するの?
ヴェルニは、牛革の表面にエナメル樹脂をコーティングした素材です。
独特のツヤと発色の良さが魅力ですが、紫外線や湿気、温度の影響を受けやすく、時間が経つと色味が変化してしまうことがあります。
特に明るい色(ベージュ、ピンク、ブルー系)は、
・全体が黄ばむ
・一部だけ黄緑っぽくなる
・ツヤが濁ってしまう
といった症状が起こりやすいのが特徴です。
この変色は、表面だけでなくエナメル層の内部でも進行するため、
クリーニングでは取りきれないことがほとんどです。
修理前の状態:ベビーブルーが黄緑に変化
今回お預かりしたのは、ルイ・ヴィトン ヴェルニ「トンプソンストリート」。
元々はブランドカラーのベビーブルーでしたが、長年の使用により、全体的に黄味が強くなり、黄緑っぽい色味に変わってしまっていました。
特にフラップ部分や角など、光に多く当たる部分は変色が目立ち、
せっかくの爽やかなブルーの印象が失われてしまっている状態です。
それでも、ヴェルニ特有のツヤ感はまだ残っており、
「できるだけ元の色に近づけて再び使いたい」とのご希望をいただきました。
修理内容:内側の色を参考に、ベビーブルーを再現
今回の修理では、まずバッグの内側を確認しました。
ヴェルニ素材のバッグは、外側が変色していても内側には元の色が残っていることが多いのです。
このバッグでも、フラップの裏側などにオリジナルのベビーブルーがしっかりと残っていました。
その部分を基準にして、職人が一色ずつ調色を行い、元の色味に近づけるリカラー修理を行いました。
作業の流れは以下の通りです。
変色部分をクリーニングし、下地を整える
内側のオリジナルカラーを参考にベビーブルーを再現
エナメル専用のカラー層を薄く塗り重ねて色を調整
最後に透明のエナメルコーティングを行い、ツヤを復元
エナメル修理は、通常の革のリカラーとは異なり、ツヤ感のバランスと透明感が命。
塗りすぎると重たく見え、薄すぎると変色が残るため、職人の経験が大きく仕上がりを左右します。
修理後の仕上がり:上品で爽やかなベビーブルーに
修理後のバッグは、まるで当時のヴェルニが蘇ったような仕上がりになりました。
黄緑っぽく見えていた部分はすっきりと整い、透き通るようなベビーブルーが再び現れました。
ヴェルニ特有の光沢も復活し、照明の下では柔らかく反射してとても美しい印象です。
外観だけでなく、全体の色ムラもなくなり、より均一で上品な仕上がりになりました。
「またこの色で持てるなんて嬉しい!」と、お客様にも大変喜んでいただけました。
エナメルの変色修理で得られるメリット
エナメル素材の修理は難易度が高い分、仕上がりの満足度も非常に高い修理です。
以下のようなメリットがあります。
元のカラーに近い状態へ復元できる
ツヤと透明感を再生できる
全体の色ムラやくすみを解消
バッグの印象が若返る
大切な思い出の品を再び使える
ヴェルニバッグは構造がしっかりしているため、外側のエナメルをリカラーすることでまだまだ長く使えます。
「変色して使えない」と諦める前に、一度修理という選択肢を検討してみてください。
まとめ:ヴェルニの輝きは修理で取り戻せる
今回のルイ・ヴィトン ヴェルニ「トンプソンストリート」は、
黄緑に変色してしまっていたベビーブルーを、内側の色を基準に再現しました。
ヴェルニ素材の修理では、元の色を見極めることと透明感を保つ塗装技術が重要です。
同じように変色や黄ばみでお困りのバッグでも、
適切な調色とコーティングを行えば、また美しく蘇らせることができます。
エナメルの変色でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
お気に入りのヴェルニバッグが、もう一度あなたの毎日に輝きを与えてくれます。
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