今回は、ルイヴィトンのヴェルニ「クリスティGM」の修理事例をご紹介します。
カラーはヴェルニのブロンズです。
今回ご相談いただいたバッグは、実は以前に他社で修理をされていたお品物でした。
しかし、修理後の状態で表面に強いベタつきが発生しており、さらに塗装がかなり厚く施されている状態でした。恐らくエナメル塗料は使用しておらず、別のコーティング剤を使って仕上げていると思います。
触るとベタベタするだけでなく、表面の塗膜そのものが厚くなっているため、そのまま上から再度色を付けたりエナメル加工を行ったりすることが難しい状態です。
修理前のクリスティGM
それでは写真にて修理前の状態をご覧下さい。






エナメルまでの光沢感がない事や、あまり写真では分からないですがべたつきにより埃が付着する部分もあります。



表面が柔らかくなっているのでフラップが当たる部分に跡が残っていたり、フラップ部分には亀裂っぽく見える所もあります。
他社修理後に発生した塗膜のベタつき
エナメル製品の修理では、単純に表面へ塗料を重ねれば良いというわけではありません。
特にヴェルニは、一般的な革製品とは異なり、最終的にエナメル特有の光沢感を持った表面へ仕上げる必要があります。
今回のクリスティGMは、以前の修理によって表面にかなり厚い塗膜が形成されており、その塗膜が原因となってベタつきが発生しているような状態でした。
この状態のまま上から新しい塗装やエナメルコートを重ねてしまうと、さらに厚みが出てしまったり、仕上がりに影響したりする可能性があります。
そのため今回は、まず一度これまでに施されていた塗膜を除去するところから作業を始めることになりました。
まずは他社で施工された塗膜を除去
今回の修理で最も重要な工程のひとつが、既存の塗膜の除去です。
表面の状態を確認しながら、これまでに塗られていた塗膜をできる限り除去していきます。
ただし、ヴェルニの素材そのものを傷めてしまっては意味がありません。
そのため、ただ強い方法で一気に落とすのではなく、素材の状態を確認しながら慎重に作業を進めます。
塗膜を除去した後は、表面を整えるためにクリーニングを行います。
ここまで下処理を行って、ようやく次の色付け工程へ進むことができます。
ブロンズカラーへの色付け
今回のお客様からのご希望は、修理後もブロンズカラーで仕上げることでした。
ただ、ブロンズは一般的なブラックやブラウンなどと比べても色調整が難しいカラーです。
当店でもブロンズ系のカラーを多数用意しているわけではないため、細かな色味を調整して完全に元のブロンズへ合わせることが難しい場合があります。
また、メタリック系は基本的に微妙な色合いを合わせる事が出来ません。(下地の色やメタリックの色でかなり色が変わってしまう為。)メタリック系(ゴールド・シルバー・ブロンズ)は「お任せ対応」のみ受け付けております。
そのため、今回は事前に「細かな色調整が難しいため、お任せでの対応」となることをご説明したうえで施工しています。
ヴェルニの色変えや色補修では、元の色や素材の状態によって仕上がりが変わる場合があります。
エナメルコートでヴェルニらしい質感へ
色付けが完了した後は、最後にエナメルコートを施します。
ヴェルニの魅力でもある、艶やかなエナメル特有の質感を出すための重要な工程です。
今回の作業は、単純な「色の塗り直し」ではありません。
他社修理による塗膜の除去 → クリーニング → 色付け → エナメルコートという工程で、状態を一度リセットしてから再修理を行いました。
他社で一度修理されているバッグの場合、「もう一度塗れば綺麗になる」と思われるかもしれません。
しかし、実際には以前の修理で使用された塗料や塗膜の状態によって、そのままでは施工できないケースもあります。
今回のクリスティGMもまさにそのようなケースで、まず既存の塗膜を取り除く必要がありました。









修理前後でエナメルの光沢感の違いが分かるかと思います。
表面にあった傷についても他社修理の表面までしかダメージがなかった為にほぼ分からなくなりました。


他社修理後のベタつきでお困りの場合もご相談ください
ヴェルニ製品は、長く使用する中で黄ばみや変色、色移り、ベタつき、艶の変化など、さまざまな症状が発生することがあります。
また、過去に他店や他社で修理を行ったものの、仕上がりに問題が出てしまったというご相談をいただくこともあります。
一度修理されているお品物は、使用されている塗料やコーティングの状態によって対応方法が大きく異なります。
そのため、他社修理済みのお品物については、現在の状態を確認したうえで、どのような方法で修理するのが適切なのかを判断しています。
「修理したバッグがベタベタする」
「以前修理したけれど、もう一度綺麗にしたい」
「ヴェルニの表面がおかしくなってしまった」
このようなお悩みがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。
革生活では、ルイヴィトンのヴェルニをはじめ、エナメル製品の修理・補修・カラーチェンジを承っています。
お品物の状態によっては通常の修理方法では対応できない場合もありますが、現在の状態を確認したうえで、可能な限り適した修理方法をご提案いたします。
ご相談・お見積りはメールまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。