バッグのトラブルで多い、内装の劣化や持ち手の劣化です。
持ち手は革で作られていますと、皮脂の汚れで黒ずみが出てきたり、折れ曲がる部分に負荷がかかってひび割れや切れてしまう事もあります。
バッグの内装は合皮や布地で作られている事が多いですが、合皮は耐久年数が短い素材ですので次第に劣化して、ベタつきやボロボロと剥がれてくると末期状態です。布地の場合に多いのがカビの発生ですが、雨の日などに使って水分を含んだまま放置している場合や、長年湿気の多い場所で保管している場合にカビが発生します。
バッグのトラブル対策
革製品の場合は日々のメンテナンスが必要不可欠です。なかなか毎日は続かない人が多いと思いますが、革に付着した皮脂汚れなどはその都度拭き取るだけでも黒ずみになるのを抑えられます。
目に見えるほどの汚れになってから拭き取りをしても、そのほとんどは汚れがシミになって革に沈着してしまう為に落とす事が出来なくなってしまっています。毎日クリーナーを使う必要はなく、基本は綺麗な布地で乾拭きが良いです。
もう1つの内装についてですが、カビは保管状況や濡れた時にはしっかり乾くまで日陰干しをするなどになります。ただ、合皮の劣化については防ぐ事が出来ません。
なぜ合皮の劣化は防げないの?
合皮の劣化は合皮が作られた段階から進行していると言われています。
ここ最近の合皮は格段と良くなってきていると思いますが、合皮は布地や不織布の上に樹脂を乗せたり含ませたりして人工的に作られたものとなります。樹脂素材にも種類があって、劣化が早い素材やベタつきが出やすい素材があり、これは素材の特性ですので防ぐ事が出来ないのです。
また、土台となる部分が布地や不織布の為、再度塗料を定着させる事が出来ないので、当店では合皮素材の補修は不可としております。
なぜ合皮は良く使われるのか?
本革は牛など1頭分の大きさしか取れないのに対して、合皮は同じ物がいくらでも作れますので、価格も安価になり品質も同じなのが特徴です。バッグや財布によく使われるのも分かる気がしますね。
バッグトラブルの修理事例
それでは縫製修理での補修事例をご紹介します。
●バッグ縫製修理(持ち手の破れ・劣化)
ここまで使えばバッグも喜んでいると思います!でももっと使って欲しいので持ち手のみ交換となります。
●バッグの縫製修理(内装のカビ・劣化)
カビが発生した理由は定かではありませんが、布地の内装で大きく3つの物入れ部分となります。形状は同じにしてブランドタグなども元の位置に戻して取り付けます。
●バッグ縫製修理(内装が合皮素材による劣化)
写真はバニティバッグ(化粧バッグ)ですが、内装ほぼ全てがボロボロ剥がれる状態に。合皮は品質が均一ですので、剥がれるタイミングも一緒でしょうかね。
ごく僅か本革部分もありましたので、その部分は再利用しております。
如何でしたでしょか?
愛着があってなかなか捨てられないバッグや、外側は綺麗なのに内側がボロボロで使えないバッグはありませんか?
また使えるバッグにお直ししてみませんか!?