【COACH】バッグの内側が剥がれて使えない！を使えるように修理

COACHのバッグを愛用されている方も多いと思います。気に入ったデザインや使い勝手の良いバッグなどは長く使いたいですが、バッグ自体にトラブルが生じてしまうと使いたくても使えない事になってしまいます。

今回ご相談のバッグですが、外側は写真のように綺麗な状態です。まだまだ長く使えそうに見えますが、トラブルは内側に起こっています。

革が剥がれて使えない・・・。ボロボロと剥がれてきてしまっては、入れている荷物に付着したり汚れたりと大惨事になってしまいます。

今回はこのようなトラブルを修理して解決致します。

バッグの詳細と状況

冒頭にも書きましたが、ブランドはCOACH（コーチ）となります。

このバッグはトートバッグキャリーオールですが、外側には本革が使われています。

ですが、問題の内側は合皮となります。合皮は本革よりも耐久性が低く、経年劣化でこのようにボロボロ剥がれてきてしまうのが特徴です。

「革が剥がれて使えない・・・」と書きましたが、実際は革ではないのです。

バッグの構造について

次にもう1点問題がありまして、それはバッグの構造にあります。外側の革と内側の合皮が貼り合わせた作りになっています。

縁を見て頂くと分かるかと思いますが、左側のバッグは外側と内側が一体化していて1枚に見えます。右側のバッグは外側と内側で別々なので2枚に見えます。

貼り合わせた合皮を剥がして、もう一度違う革を貼る事は不可能です。しっかりと接着されているので外側の革にもダメージが出てしまいます。

その為、このようなタイプ（貼り合わせ）の場合は、仕様変更をしてお直しをする事になります。

簡単に言えば、貼り合わせタイプから内袋タイプに変えてしまいます。どのようになるのかは下記の修理後写真をご覧下さい。

COACHバッグの修理前と修理方法

もう少し修理前の状況と修理方法を写真付きでご説明します。

このバッグには真ん中に仕切りがあります。

バッグの構造や機能面を変えない為に仕切りは作り直しをします。その際にブランドタグは移植しますが、ブランドタグも合皮で作られていますので移植しない選択肢もありです。

ポケットは使えませんので生地で同じ大きさのポケットを作成します。

持ち手を取り付けているカシメ金具やブランドロゴ金具は外す事が出来ませんので新しい内装で隠れてしまいます。

マチ部分にあるショルダーベルトの付け根は付け直しをします。

仕切りにあるファスナーを開けると中がブランドロゴの入った生地が使われていますが、この生地は再利用出来るかどうかは分解して使えるかどうかを確認してとなります。必ず再利用出来るとは限りませんのでご了承下さい。（縫製や接着等により再利用出来ない場合があります。）

使えるようになったCOACHバッグ

それでは修理後のバッグをご覧下さい。

上からの写真になりますが、元々1枚に見えていた部分は仕様を変える事により2枚（2重）になっています。仕切りにあるファスナーは再利用しています。

ポケットは同じシャンタン生地で作り直しをしています。マチにあるショルダーベルトの付け根革は移植です。

仕切りのファスナーを開いた状態ですが、内側に使われていた元々の生地は使える状態で取り外しが出来ましたので、お客様のご要望により再利用をしています。

このような感じでバッグを蘇らせる事が出来ました。内側が剥がれ等によりトラブルが起きなければ修理する必要もないのですが、内側に合皮を使用しているバッグは今回のコーチだけではなく、グッチやシャネルやルイヴィトンでも多く使われています。

バッグの内側トラブルのまとめ

外側と内側が貼り合わせて1枚になっている今回のようなバッグは、バッグの構造上の問題で仕様を変更しても良いとの事であれば修理は可能となります。

※内側から見えるカシメ金具やブランドロゴ金具は残したいとの事であれば修理不可です。

お気に入りのバッグが使えなくなってしまうので非常に残念な事ですので、是非修理をご検討頂ければと思います。

また、今回は貼り合わせのバッグ修理のご紹介でしたが、内袋タイプや内張りタイプのバッグも多く修理をしていますので合わせてご覧下さい。

それではCOACHバッグの修理は以上となります。