バッグや財布等のカラーチェンジについて

カラーチェンジについて

当店修理をご検討頂きありがとうございます。

このページではカラーチェンジする場合の「色選定」についてご案内致します。

色選定で重要な項目として、4点あります。

  1. 使う色(メインの色)
  2. 色が淡いか濃いか
  3. 同系色
  4. ファスナーの有無

となります。順にご説明を致します。

①使う色(メインの色)

当店の調色(色作り)では大きく5色を使います。(実際にはもっと多いですが。)

  • 白色
  • 黒色
  • 赤色
  • 青色
  • 黄色

この5色です。この5色があればある程度どんな色でも作れると言われています。(※蛍光色は持ち合わせておりませんので不可能となります。)

ですが、この5色でもカラーチェンジには不向きな色があります。「赤色」「黄色」この2色です。

理由として、隠蔽力が弱い為です。

隠蔽力とは?

隠蔽力とはシミや汚れをその色で隠す能力となります。

隠蔽力が低いとその色を出す為に何層も色付けをしなければいけなくなり、結果的に塗膜が厚くなります。塗膜が厚いと手触りや耐久性が悪くなります。(塗膜は薄ければ薄いほど良いのです。)

隠蔽力の順ですと、黒 ≫ 青 ≫ 白 ≫ 赤 = 黄 です。(黒が一番隠蔽力が強い)

隠蔽力が必要のない修理(例えば真っ白な財布をカラーチェンジ)ならばどの色でも問題がありません。

②色が淡いか濃いか

次に淡いか濃いかについてとなります。

淡い色・・・白または白メインの色(薄ピンク・薄黄色・薄緑など)

濃い色・・・黒または黒や青メインの色(茶・こげ茶・濃紺・ネイビーなど)

また、もう1つの見方として、現在の色から比べて「淡いのか」「濃いのか」にも影響します。

現在の色が赤の場合、

淡い色・・・白や黄色がメインの色

濃い色・・・黒や青がメインの色

現在の色が茶色の場合、

淡い色・・・白や黄色・赤・青がメインの色

濃い色・・・黒がメインの色

などです。

カラーチェンジの基本は濃い色への変更となります。

ですので、現在の色が黒の場合、他の色へのカラーチェンジは出来ません。

逆に、現在の色が白の場合、どの色へのカラーチェンジも可能です。

③同系色

こちらは同系色かどうかの判断となります。

例えば水色を赤にカラーチェンジの場合は同系色ではありませんのでオススメは出来ませんが、水色をネイビーにしたい場合は同系色なので良いかと思います。

但し、ベージュを赤にカラーチェンジの場合ですが、ベージュは「白」「黄色」「黒」「赤」が混ざった色に対して、「赤」にするには「黒」が不要です。結果、赤にするには何層も赤を重ねる事になる為、オススメ出来ないカラーチェンジになります。

 

以上の3点が色を決める際に重要になりまして、重要度も①②③の順になります。

ココがポイント

現在の色が白ではない場合、「赤系」「黄色系」にするのはオススメ出来ません。

④ファスナーの有無

カラーチェンジをする場合で、ファスナーも一緒に色を変えたい場合は2通りの修理パターンがあります。

1つは塗料にて変更する場合、もう1つはファスナーを交換する場合です。

塗料で色を変更する場合は修理価格も安価になりますが、デメリットとしてファスナー可動が多少固くなる傾向があります。また、元々の色がかなり影響しますので、白のファスナーから変更するのは問題ありませんが、赤を青にするなど反対色や同系色ではない場合は少なからず元の色が影響するとお考え下さい。ファスナーは様々な繊維(綿やナイロン等)がありますので革よりも染まりが悪いです。

ファスナーを交換する場合は修理価格が高くはなります。長さにもよりますが10,000円~(1ヶ所)位です。また、生地の色は特殊カラーですと取り寄せになりますのでさらにプラスされる場合もございます。ご希望の場合はお伝え下さい。

その他注意事項

  • バッグや財布の内側をカラーチェンジする場合、間口の広さや素材によりポケット奥など対応出来ない場合があります。
  • ステッチ(糸)は素材により染まりやすい場合と染まりが悪い場合があります。また、基本的に糸は何重にも束ねられている為、スレ等により元の色が出てくる場合もあります。
  • ステッチも一緒に染める場合、元の色が影響して革色と同色にならない場合があります。
  • ステッチは塗料が付着する事で毛羽立ちが起こる(目立つ)場合があります。
  • ファスナーも染める場合ですが、樹脂ファスナーやコイルファスナーやナイロンファスナーはエレメントが染まりません。
  • バッグ内部にシリアルシール等がある場合、剥がしませんのでシール下は染まりません。

カラーチェンジをご依頼の場合

カラーチェンジをご依頼の場合は「カラーサンプル」をご依頼品と一緒に発送をお願い致します。

この「カラーサンプル」は広告の端切れ等何でも良いですが、その色を目安に調色をしております。

身近にサンプルがない場合はブランドカラー名やカラー名でも良いですが、お客様と当店での認識違いが少なからずありますので、ご理解の上でお願い致します。

また、メールやLINEにて写真添付につきましても、お客様の見ている環境と、当店が見ている環境は異なります。

例えば、同じホームページ上の写真でもパソコンで見る色とスマホで見る色は違います。

以上の事から「カラーサンプル」を同梱していない場合は、修理後の色に対してのクレームはお受け致しかねますのでご注意下さい。

修理範囲につきましても修理スペースが確保出来ない部分(カード入れ内部やスペースが狭くて革が密接してしまう場所など)は可能な限りでの対応になりますのでご了承下さい。