革製品のトラブルで多い「黒ずみ」や「色あせ」ですが、通常使っていればどうしても防ぐ事の出来ないトラブルだと思います。
「黒ずみ」は皮脂汚れによる物がほとんどだと思いますが、革は油分を吸い込んでしまいますので定期的なメンテナンスで多少なりとも軽減する事が出来ます。
革専用のクリーナーを使う事や、日々のお手入れでは乾いた布や水を付けて固く絞った布で拭いてあげる事が大切です。
一方「色あせ」については紫外線による物ですので、防ぐ事はほとんど出来ないかと思います。強いて言えば直射日光に長時間当てる事のないようにするくらいかと思いますが、日陰でも紫外線の影響を受けます。
クリーニングと染め直し(色付け)の違い
財布やバッグの修理では「クリーニング」と「染め直し」があります。
修理店舗により伝え方が違う為、混同してしまいますが、当店では
【クリーニング】
皮革専用クリーナーを使用して革の表面に付着した汚れや油分を除去致します。
但し、革の内部に浸透してしまった汚れや浸透しているシミについては除去不可能となります。
クリーニングでは補色・色付けは一切行いません。
【染め直し】
染め直しはいわゆる「補色」「色付け」の事となります。
クリーニングしても効果がない汚れやシミに対して、もう一度色を乗せてあげる事で見栄えを良く致します。(汚れやシミの上に色を付けて隠す感じです。)
このような違いがあります。
クリーニング屋さんでも財布やバッグのクリーニングを受け付けている所もありますが、「クリーニング」なのか「染め直し」なのかを理解していないと、無駄なお金を払う事になりますので注意して下さい。
当店での財布修理事例
それでは、写真にて当店の修理事例をご紹介致します。
当店では、染め直しの場合でも色付けする前にはクリーニングをしております。
このクリーニングで極力「油分や汚れ」を除去する事で仕上がりにも差が出て来ます。
今回はmiumiuの財布となりますが、「色あせ」と「黒ずみ」の修理です。
色については財布内側はそれほど色あせていませんでしたので、その部分に合わせおります。
修理前の状況ですが、
このような感じです。
内側と比較した写真ですが、
内側の方が色が濃く、外側は色あせて黄ばみっぽい感じもあります。
修理後の写真です。
このような仕上がりになります。
内側との比較ですが、
こんな感じです。内側については今回色付けはしておりません。
(ご要望により内側の染め直しも可能です。)
色あせや黒ずみでかなりの使用感がありましたが、修理後は見栄えも良くなったかと思います。
また長く使い続けて頂ければ良いかと思います。
それでは、同様のトラブルでも全く違うお悩みでも受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。
お待ちしております。