元の色も分からないくらいに変色してしまったエナメルバッグです。エナメルは「黄変」する特性を持った素材ですので同じような悩みを抱えている方は多くいると思いますが、当店では修理・修復が可能となります。
エナメルの「特性」とは?
エナメルバッグや財布は多く販売されていますが、エナメルには他とは違う特徴がございます。
まずエナメルのメリットは、
- メンテナンスが簡単
エナメル革は通常の革とは大きく異なり、表面に薄いエナメル層が形成されます。汚れが付着しにくいので仮に汚れが付着しても簡単に取り除くことが可能です。布地で乾拭きをするだけでも汚れは取れますし、多少頑固な汚れならば固く絞った布巾で優しく拭き上げるくらいで問題ありません。
- 水分に強い
エナメル層はしっかりとした膜ですので多少の水分がかかっても弾いてしまいます。通常の革ですと水分は大敵になりますので場合によっては輪染みや革色の変化が出る場合があります。
- 傷が付きにくい
こちらも同様ですが、革のコーティングの中では一番と言って良いほど、表面をしっかりとコーティングされています。
このようにメリットはいくつもありますが、実はデメリットもございます。
- 変色しやすい
今回の修理事例のように元の色からは想像も出来ない程に色の変化が起こります。これはエナメル塗料の問題なのですが、経年劣化等により透明なエナメル膜が黄色っぽくなってしまう現象です。元々海外の気候に合わせた調合でエナメルが作られている為、高温多湿の日本ではトラブルが起きやすいです。
- 色移りが起こる
エナメル塗料は色を吸収しやすい特性があります。その為、他のバッグ等に長時間密接しているとエナメル内部に色を吸い上げてしまいます。
などなど、日々のメンテナンスは簡単なのですが、保管や取扱いが難しいのがエナメル素材となります。
エナメルが黄ばんでしまうのはなぜ?
先程も書きましたが、エナメルが黄ばむのはエナメル塗料の「特性」になりますので防ぐ事が出来ません。
ただ、問い合わせで良く聞くのは
大切に箱やクローゼットに入れて保管していた!
と言う事です。
日も当たらないように保管していたのでなぜ日焼けしたのか分からないと言う方もいますが、実は日焼けをして黄ばみが出た訳ではなく、エナメルが環境(高温多湿の状況下)に合わず劣化が進行していると思われます。
適度に使われている方は、その都度風通しが良く、湿気も取れてと言う事になり長持ちしている事になりますので、使わない時でも適度に風通しが良い所で日陰干ししてあげる事が大切になります。
エナメルバッグの修理事例
それでは前置きが長くなりましたが、今回修理依頼のあったバッグの修理事例をご紹介致します。
バッグはルイヴィトンのトンプソンストリートとなります。
まずは修理前の写真をご紹介です。
元々はベージュ色となりますが、全体的に黄色味が強い色に変化してしまっています。
今回は元の色に近付けるようベージュでのリカラーとなります。
このような仕上がりになります。
ちょっと修理後の写真写りが悪くなってしまいましたが、黄ばみ感は一切なくなります。また、縁周りにあるパイピングはそのまま残しますし、ショルダー部分もそのままとなります。
黄ばんだバッグは見た目も悪く、使うのはためらってしまいますが、修理後くらいになればまた愛用出来るバッグになったのではないでしょうか。
多くの方からエナメルバッグの修理を頂いている当店ですので、是非同じようなお悩みの方はお気軽にご相談頂ければと思います。
お待ちしております。