革生活でのエナメル修理をご紹介致します。今回のバッグ詳細は、、、
【ブランド名】Dior ディオール
【バッグ名】レディディオール
【修理希望内容】エナメルの色がかわってしまったので元に戻したい
となります。
早速ですが、言葉よりも写真を見て頂いた方が明確に違いが分かりますので写真をご覧下さい。
レディディオールの色戻し修理
当店では色を戻す修理は「リカラープラン」となります。違う色に変更する事は「カラーチェンジプラン」です。
では、リカラープランで修理したバッグを写真でご覧下さい。
修理前のバッグはマスタード色っぽいような黄色系の色に変化しておりましたが、元々はグレーのバッグになります。
元々の色の目安としては、このバッグですとファスナー上のエナメルではない革部分となります。上の写真はエナメル部分のみ色付けをしておりまして、ファスナー上の部分(エナメルではない革)はそのままとなります。違和感ないくらいの色に仕上がったかと思います。
写真でははっきり分からないかもですが、元々パールが入っていましたのでパールも入れての再現となります。
ステッチが多いバッグについて
今回のレディディオールですが、ステッチがデザインとして多く使われております。
エナメル修理ではこれがデメリットではあるのですが、ステッチにもエナメル塗料が付着してしまいます。付着する事で毛羽立ちやすいステッチはエナメルが硬化する事でザラツキとなってしまう場合があります。極力毛羽立ちを抑えて修理はしているのですが、こればかりは防ぐ事が出来ない現象となりますのでご理解の上でご依頼をお願いしております。
ステッチがざらつきやすいのは修理する前から毛羽立ちが起こっているような糸になります。糸の種類により毛羽立ちしやすい糸とあまりしない糸がありますが、正面からではなく横から見るとわかりやすいかもです。
エナメルのレディディオール修理価格
下記でご紹介する修理価格は2023年12月現在の価格となります。価格改定等で変更する場合がありますので詳しくは見積りをご依頼ください。
見積りはメールやLINEから可能となります。簡単なのはLINEです。
今回の修理価格ですが、
リカラープラン:26,400円 (色付け・パール加工・エナメルコート)
持ち手エナメル対応:4,400円
合計:30,800円
となります。キーホルダーにもエナメル革がありますが、こちらはサービスで対応しております。
他に付属品(ショルダーベルトなど)があれば別途費用になります。
エナメルのトラブルについて
エナメルのトラブルについて少しご紹介致します。
エナメルの黄ばみはなぜ起きる?
今回のようにエナメルの色が変わってしまう事ですが、これはエナメル塗料(エナメル革)の特性となります。
元々透明なエナメル膜ですが、時間経過や経年劣化等により黄ばみが出てしまう事で起こります。これは「防ぐ事が出来ない」現象なのです。
ただ、この色の変化は良く使うバッグよりあまり使わないバッグの方が起こっている傾向にあります。普段使っていますと適度に湿度や風通しが良い環境にあるのでエナメル革には良い状態なのですが、使っていないと風通しが悪いクローゼットに保管されていたり、湿度が高い環境下で保管されている事になります。(勿論保管場所は湿気取りなどを考慮している方は多いですが。。。)
この使っていない保管状態のエナメルバッグはエナメルにとってはあまり良い環境ではない場合が多く、黄ばみが出る(エナメル劣化が進行する)原因にもなります。
では、毎日使っていれば黄ばみが出ないのかと言うとそういう事ではないのですが、劣化の進行速度が違うとお考え下さい。
普段のお手入れをどうするか(エナメル)
エナメルは非常にお手入れが簡単です。
通常は布巾で乾拭きのみとなります。もう少ししっかりお手入れをしたいのであれば、固く絞った布巾でサッと拭き上げて下さい。
エナメルは水に強いですが、その後しっかりと乾拭きで水分は拭き取って下さい。
そして、日陰干しをして風に当ててあげる事が一番重要です。上記でも書きましたが使っていない・保管している時こそ風に当てて下さい。
風に当てる事で革の内部の湿気等が放出されて革にとって良い環境になります。これが黄ばみ対策にもなります。
今回のまとめ
今回はレディディオールのバッグを元の色に近付けるリカラープラン修理をご紹介致しました。
エナメルが黄ばんでしまって困っている方は多いと思いますが、修理出来る事を知ってもらってご検討頂ければと思います。
捨てるのは簡単ですが、使い続ける事はSDGsに貢献出来る1つの方法となります。限りある資源の革を使っていますので、是非大切に長く使えるようにメンテナンスをしてみてはどうでしょうか。
皆さまからのご相談・ご依頼をお待ちしております。