はじめに
ルイヴィトンの中でも、光沢感が美しいエナメル素材を使用した「ヴェルニ」ラインは、使う人を華やかに見せる人気シリーズです。しかし、エナメルは経年劣化によって 黄ばみ・曇り・艶落ち が避けられず、特に淡い色合いのバッグは変色が目立ちやすい素材でもあります。
今回ご紹介するのは、ルイヴィトン ヴェルニ「レキシントン」の修理事例です。修理前の状態と仕上がりを比較しながら、どのようにして蘇ったのかをご覧いただきます。
ルイヴィトン「レキシントン」とは
ヴェルニラインの「レキシントン」は、横長の長方形フォルムと細身のストラップが特徴的なコンパクトバッグです。
コンパクトなクラッチバッグとして使える仕様
必要最低限の荷物が入る実用的なサイズ感
モノグラム柄がエナメルの艶に映え、華やかかつ上品な印象
知名度は「アルマ」や「ブレア」ほど高くありませんが、シンプルで使い勝手の良いデザインからファンの間で人気を集めています。特に小ぶりなバッグを好む方や、結婚式・パーティーなど華やかな場に持ちやすいバッグとして評価されています。
修理前の状態
ご依頼いただいたレキシントンは、もともとブランド定番の ベージュ系カラーでした。しかし、長年の使用と保管により以下のような症状が出ていました。
バッグ全体が 黄色く変色
エナメル表面に 曇りが出て、艶感が弱い
一部には 色移りやくすみ が確認できる
エナメル素材は紫外線や湿度の影響を受けやすく、淡い色は特に黄ばみが顕著になります。見た目の美しさが損なわれてしまうと、どうしても使用をためらってしまうものです。
【修理前写真】
修理内容
今回は「できる限り元のベージュに近づけたい」というご希望をいただきました。そこで、以下の工程を行いました。
クリーニング
バッグ全体の汚れを落とし、下処理を丁寧に実施。曇りの除去・下地処理
エナメル表面の曇りを研磨し、艶を取り戻す下地を整えました。カラーリング調整
黄ばみを補正し、ベージュ系の色味を再現。なるべく自然な発色になるように調整。エナメルコーティング仕上げ
透明感と光沢を復活させるため、コーティングで仕上げ。
【修理後写真】

修理後の仕上がり
修理を終えたレキシントンは、黄ばみが改善され、本来のベージュに近い色味と艶感が蘇りました。
エナメルらしい透明感と光沢を再現
色移りも目立たなくなり、全体が均一な仕上がりに
写真以上に実物では艶やかさを感じられる
「もう持てないかも」と思っていたバッグが、再び日常や特別なシーンで活躍できる状態になりました。
エナメルバッグが劣化する原因と特徴
エナメル素材は美しさの反面、非常にデリケートです。よくある劣化症状には以下があります。
曇り・艶落ち:湿度や温度変化で表面が劣化
黄変:紫外線や経年による変色
色移り:濃い色の革や布と接触することで移染
特に淡色系は黄ばみが目立ちやすく、修理のご相談が非常に多い素材です。
修理を考えている方へ
エナメルバッグは「もう使えない」と思っても、修理でよみがえるケースが多くあります。
黄ばみや曇りで見栄えが悪くなった
艶がなくなってしまった
色移りしてしまった
こうしたお悩みをお持ちでしたら、一度ご相談いただくことで大切なバッグを蘇らせることが可能です。思い出の品や長年愛用してきたバッグだからこそ、修理を選択する方が増えています。
まとめ
今回は、ルイヴィトン ヴェルニ「レキシントン」の修理事例をご紹介しました。
経年劣化による黄ばみ・曇り・艶落ちがあった
修理でベージュカラーと艶を取り戻した
エナメル特有の透明感が蘇り、再び使えるバッグに
ヴェルニシリーズをはじめ、エナメル素材は修理で美しさを再現できる可能性が高いです。お手持ちのバッグに同じような症状がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。