はじめに
グッチを代表するアイコンバッグといえば「バンブーバッグ」。持ち手に使われている竹のパーツが特徴的で、上品かつ唯一無二の存在感を放つデザインです。外装は革で丈夫なため長年使えるケースが多いのですが、内側に使われている合皮は経年で劣化しやすく、剥がれやベタつきに悩む方がとても多いのです。
今回ご紹介するのは、そんな グッチ バンブーバッグの内装張替え修理 です。内側がボロボロで使えなくなっていたバッグを、シャンタン生地に張り替えて快適にリフレッシュしました。
グッチ「バンブーバッグ」とは
バンブーバッグは、1947年に誕生したグッチの名作ラインです。第二次世界大戦後、物資不足の時代に代替素材として竹をハンドルに採用したことが始まりでした。結果的にそのデザインが革新性と美しさを兼ね備え、現在まで続くアイコンに成長しました。
バンブー(竹)の持ち手が最大の特徴
革素材の外装は丈夫で長持ち
ヴィンテージ感とラグジュアリーを両立したデザイン
外観の存在感から人気が衰えることはなく、ヴィンテージ市場でも高い需要があります。
修理前の状態
今回お預かりしたバンブーバッグは、外側はまだまだ使える状態でした。革の劣化も少なく、持ち手のバンブーも良好。しかし、内側は合皮が経年劣化により大きなトラブルを抱えていました。
合皮が劣化して 剥がれが広範囲に発生
粉状になってバッグ内に散らばる
物を入れると内装に ベタついて付着してしまう
この状態では実際にバッグとして使うのは困難です。財布やポーチに合皮片がくっついてしまい、大切な荷物を汚してしまう可能性があります。
【修理前写真】
上の写真を見ますと合皮がどのような物かが良く分かりますが、合皮は生地の上に樹脂コーティングされた素材になります。
白っぽく見えている部分が土台となっている生地です。その上の黄土色っぽい部分が樹脂です。合皮が劣化してくると生地と樹脂の接着が弱くなり、写真のように樹脂がボロボロと剥がれてきたりします。
修理内容
今回は「内側をすべて張り替えたい」とのご希望をいただきました。そこで選んだのが、シャンタン生地です。
シャンタン生地とは
シャンタン生地はフォーマルウェアにも使用される上品な生地で、
光沢がありながら丈夫
摩擦に強く、劣化が少ない
合皮に比べて通気性が良く、ベタつきがない
といった特徴があります。バッグの内装として最適な素材のひとつです。
修理工程
劣化した合皮をすべて除去
剥がれやベタつきが残らないよう、丁寧に下地処理を行います。型取りと裁断
バッグの内側に合わせてシャンタン生地を裁断し、違和感なくフィットするよう準備。内装の張替え作業
ポケット部分など細部までシャンタンで仕上げ、バッグ全体の使いやすさを確保。最終チェック
荷物を入れても生地が付着せず、快適に使える状態に仕上げます。
【修理後写真】
合皮部分は全て使いませんが、ファスナーやタグは問題ないので再利用します。
修理後の仕上がり
シャンタン生地に張り替えたことで、バッグの内装は新品のように生まれ変わりました。
ベタつきや剥がれがなくなり、荷物を安心して収納可能
シャンタンの光沢が加わり、内側からも高級感が感じられる
外側の革やバンブーハンドルとの相性も良好
これでまた長く安心して使えるバッグとなりました。
合皮内装が劣化する理由
グッチに限らず、多くのブランドバッグで 合皮内装の劣化 は共通の悩みです。
経年劣化:合皮は製造から10年ほどで加水分解が進み、剥がれやベタつきが起こる
高温多湿の保管:湿度が高い場所での保管は劣化を早める
使用頻度:荷物の出し入れによる摩擦で合皮が傷みやすい
外装はきれいなのに、内装の劣化で使えなくなるバッグが多いのはこのためです。
修理を検討されている方へ
内側の合皮が劣化したバッグは「もうダメかな」と思われがちですが、内装を張り替えることで再び快適に使えるようになります。
大切な思い出のバッグを捨てたくない
外観はきれいなので活かしたい
ヴィンテージバッグを長く愛用したい
そんな方にはシャンタン張替え修理が最適です。
まとめ
今回は、グッチ バンブーバッグの内側合皮劣化をシャンタン生地に張り替えた修理事例をご紹介しました。
合皮が劣化し、剥がれやベタつきが発生
シャンタン生地に張替えて、快適で高級感ある内装に
外装は活かしたまま、バッグ全体を再び安心して使える状態に
バッグの内装劣化は修理で改善可能です。お気に入りのバッグを「もう使えない」と諦めてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。