バッグの中がボロボロで使えない!
バッグの外側は全然問題なくても、内側が写真のようにボロボロになってしまったり、物を入れると汚れが付着してしまう等のトラブルが多くあります。そのようなトラブルの方へ、内装交換をして使えるバッグにする修理をご案内致します。
バッグの内装(内側)がボロボロ・ベタベタになる原因
今回ご紹介しているバッグはGUCCI(グッチ)のバッグになりますが、多くのブランドで同じような現象が起こり悩んでいる方がいると思います。
これは「合皮」が原因となります。
合皮は経年劣化しますと、ベタベタが発生して合皮の塗膜が剥がれて他の物に張り付いてしまったり、ベタベタにはならないけれど、表面がボロボロ剥がれてしまう事があります。
こうなってしまうとほぼバッグとしての機能は損なわれてしまい、その内タンスの肥やしになってしまいますよね。
合皮の寿命は約5年~10年程度
最近はかなり質の良い合皮もありますので一概には言えませんが、少なくとも本革よりは耐久年数が低くなります。
また、合皮は作られた時点から劣化が始まるとも言われますので、バッグを新品で購入しても、素材としては既に5年ほど経過をしていて、使い始めると直ぐにトラブルが起きてしまったなんて事もあります。
ただ、合皮のメリットとしては同じ品質の素材を大量に生産出来る事や、本革に比べると安価な素材ですのでバッグの内側や財布の内側には良く使われている素材となります。
本革と合皮を使ったバッグでは先に合皮の傷みが出てくる
バッグが全て合皮で作られていれば傷みやトラブルも同じくらいに出る場合が多いですが、今回ご紹介しているバッグのように、外側が本革で内側が合皮の場合はどうしても内側が先に劣化し始めてしまいます。
ですので、外側は全く問題ないけれど内側がボロボロで使えないと言ったご相談は非常に多くあります。
バッグの内装(内側)が合皮の場合は内装交換
合皮素材は塗料等で復元できる素材ではございませんので、このようなご相談の場合は「内装交換」をオススメしております。
但し、また同じ合皮で内装交換をしても、数年後には同じトラブルが起こってしまいますので、当店ではシャンタン生地(布地)への交換が基本となります。
シャンタン生地(布地)のメリット
シャンタン生地(布地)にしてしまうと見た目が大きく変わってしまうデメリットはあるのですが、まずはバッグとして使い続けられる事や同じ現象が起こらない事が大きなメリットになります。
勿論、また同じ現象になった時には張替えれば良いのですが、トータル的なコストを考えればシャンタン生地です。
この生地はしっかりとした丈夫な生地ですので、バッグの内装などに多く使われております。
内装交換の注意点
内装交換をする場合、ある程度バッグを分解する必要があります。
その際に、ハトメやカシメなど圧着して取り付けられている金具は再利用が出来ませんので代替品への交換となります。仮にブランドロゴの入った金具でも同様です。ブランド金具は入手出来ませんのでご理解下さい。
ステッチにつきましてもなるべく忠実に同じ針孔へ通したい気持ちはありますが、ピッチの違いやミシンの違いから多少なりともズレる可能性はございます。あくまでも修理ですのでご理解の上でお願い致します。
修理のBefore-After
それでは今回内装交換したバッグを写真にてご紹介致します。
まずは修理前の状況を3枚です。
一部本革部分もありますが、物入部分の内側は見事にボロボロな状態です。
続きまして修理後の写真となります。少し角度が違いますがご了承下さい。
ブランドタグやファスナー部分は再利用して同じ位置へ取り付けております。
シャンタン生地にしてしまう事で、内装は革っぽさがなくなってしまいますが、スッキリした感じに見えますでしょうか。
このような感じで修理する事で、また使えるバッグとなりますので是非ご検討下さい。
それではGUCCIのバッグ内装交換は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。