本革で作られたバッグは使えば使う程に味が出てきて素敵なバッグに変化してくる場合もあります。
ですが、ノーメンテで使っていけば雨染みや汚れの付着などによる色ムラが起こったり、色あせた革色になってしまってお世辞にも「かっこイイね!」と言えなくなってしまう場合もあります。
日々お手入れしてこその良さが出てくる素材ですので、大切にメンテナンスしていきたいですね!
さて、今回はノーメンテだったかは分かりませんが、使い込んだと思われるバッグのメンテナンスをご紹介致します。
革の色が褪せてしまったバッグ
元々の色からはかなり色褪せてしまいましたね。革質としては日々お手入れをしていれば逆に濃くなっていくような気もします。
全体的に色褪せていけばまだしも、写真で見てもバッグ上部とバッグ右下付近の色の違いが分かるかと思います。このように変化しているとちょっと味があるバッグとは言えませんよね。。。
色褪せの原因は紫外線やスレなどがありますが、これくらいならば染め直し(補色)をすればまだまだ使えるバッグになります。
バッグの雨染みはなぜ残る?!
先程の写真の中にも雨染みと思われるような染みがいくつかあります。
革は濡れても基本的に元の色に戻りますが、その水分が何かにより変わってきます。例えば純水であればほぼ跡は残りません。
ですが、雨には不純物が沢山混ざっている為、染み込んだ水分が乾燥するのと同時に不純物が革色を変えている(汚れが浸透している)事になります。
ヌメ革などは特に雨染みが残ってしまいますが、これも濡れた早いうちに純水で表面を濡らしてから綺麗な布巾で叩いて水分を取った後に日陰干しをしてると雨染みが薄くなる場合もあります。ただ水は革にとって天敵ですので、型崩れ等をしないように下準備をしてからが望ましいです。
油分が含まれると革色が濃くなる
写真で左側ポケットの少し上に黒っぽいシミがあります。
これは恐らく油分付着と思われます。皮脂汚れなども同様ですが、油分は革色を変化させてしまうのと同時に中々除去も出来ない汚れです。
革用クリーナー等で脱脂するしか取り除く方法はありませんが、これも時間が経過してしまうとクリーナーでも除去出来ないようなシミになってしまいます。早めの対処が重要です。
気分一新染め直し修理でキレイなバッグへ
それでは今回は元の色よりももう少し濃い目にしての修理となります。
まずは修理前の写真をいくつかご紹介致します。
破れはありませんので、ほぼ色あせやスレ傷などとなります。ファスナー色から考えると元々の色も結構濃い色だったような気もします。
今回は茶系で赤よりのこげ茶に致しました。
修理後の写真をご覧下さい。
このような仕上がりになりました。
革自体はしっかりとしていましたので、基本角などは表皮形成しながらですが綺麗に色も入り見た目も良くなったかと思います。
細かい色指定があればご依頼時にサンプルを!
お任せでも良いですが人それぞれ好きな色合いが違いますので、可能であれば色見本となるカラーサンプルを一緒に送って頂いております。
完全にその色にするのは難しいですが、極力近い色で調色をして色付けをしております。
例えば「こげ茶」と言っても赤よりなのか黄色よりなのかでかなり色が違いますので、その辺の参考に出来ればと思います。
サンプルは広告の端切れなど何でもOKです。その色を参考にして調色致します。