スレ傷でお悩みのバッグの状態
愛用しているバッグや大切な方から貰ったバッグなど、長年使用しているとどうしても角や縁が擦れてしまい見栄えが悪くなるようなお悩みはありますでしょうか?
こんな感じ。。。
元々茶色の革色ですが、パイピング(縁にある丸い革)やマチ部分の表面はかなりの傷みで白っぽくなっているのが分かるかと思います。
白っぽく見える部分は表皮の剥がれ
このようなバッグは大きく3層構造になっています。
まずは土台となっている革、その上に茶色に色付けされた塗膜層、一番上がコーティング層となります。
この白っぽく見える部分はコーティングが削られ、さらに塗膜も削られ、土台の革が出てしまっている状態です。
この土台となっている革が見えている状態は、革にとって無防備な部分となりますのでこのままですとデメリットがいくつかあります。
- 汚れが付着しやすい
- 革が乾燥しやすい
- 革が傷みやすい
まず汚れですが、しっかりとコーティングされた革は多少汚れが付着したとしてもすぐに拭き取ればある程度落とす事が可能です。これは革の表面がしっかりとコーティングされていますので防御されている状態です。
ですが、表面が削られて無防備な状態では汚れが付きやすく、場合によっては黒ずみっぽくなってしまいます。今回のバッグは幸いな事に汚れはほぼ付かなかった為に擦れた部分は白っぽくなっています。
次にコーティングがない為に革が乾燥しやすくなるのですが、乾燥は革にとっては大敵となり、乾燥したままですと破れや亀裂が生じやすくなります。
このような事がありますので、革が傷みやすくなり大きなダメージを受けてしまうのです。
スレ傷をそのままにしてはダメ!
軽度のスレ傷ならばまだしも、写真のようにスレている場合は早めの修理が必要です。
直さずに使えなくなるまで使い続けるならばまだしも、大切なバッグであればしっかりとメンテナンスをしましょう。
今回のバッグはスレ傷はかなりの重度ですが、破れや革の亀裂は起こっていません。ですので、修理としてはリカラー(補色)するだけでバッグ状態は良くなります。
ですが、革が破れてしまったり亀裂が入ってしまうと最悪は修理不可となる場合もありますし、革のパーツを交換しなければならない場合もありますので、修理が高額になってしまいます。
バッグのスレ傷をお直しします!
なかなかご自身での色付けは難しいかと思います。揃える道具がたくさん必要ですし、失敗のリスクもかなり高いです。
修理専門店にお任せ頂ければしっかりとお客様に代わってお手入れを致します。
バッグの状態を見ながら色落ちしていない部分で調色をして、先程の白っぽくなっているような部分は事前に表皮形成を行います。この表皮形成をせずに色を入れてしまうと、その部分はどんどんと塗料を吸収してしまい、革が固くなってしまいます。
写真は正面の半面まで色付けをした途中経過です。多少逆側よりも色濃く見えているかと思いますが、色合わせはバッグの底面であまり色落ちしていないと思われる部分がありましたので、そこを目安にしております。
このような感じで、革の状態を見ながら徐々に復元をしていきます。
バッグ修理完了後の状態をご紹介
それでは修理後のバッグを写真にてご紹介致します。
パイピングの部分もしっかりと色が入り、白っぽさも解消されています。
バッグの裏側と持ち手部分になります。大きなダメージはありませんでしたので、全体的に綺麗に仕上がりました。
如何でしたでしょうか?
ここまでキレイになれば、また以前のように活躍出来るバッグに生まれ変わりましたよね!
お客様のご感想
「すごく綺麗になって、まるで新品のようです!」
と、修理後のバッグを見て大変喜んで頂けました!
今回見た目的にはかなりのダメージでしたが、大きな傷みがなかったのが修理後の仕上がりにも影響をしております。
財布やバッグでも同じようなスレ傷は使っていればいづれ起こってきますので、早めのご相談やご依頼をお待ちしております!