黄ばんでしまったエナメルバッグでお悩みの方は多いかと思います。
元の色が白系であれば「黄ばんだ」と思われますし、赤系や青系ですと「変色した」「退色した」と思われますが、いずれもエナメル素材の場合は『黄変』が原因となります。
エナメルの「黄変」とは?
「黄変」とは、そのままの意味合いですが、黄色く変化する事を言います。
エナメルは元々無色透明の塗料ですが、紫外線や気候や湿度などにより透明だった膜が黄色く変化してしまうのです。
こんな感じですね。元々白系でしたが、どちらかと言えば黄色のバッグっぽくなってしまっています。これがエナメルの「黄変」です。
これを防ぐ方法はありません。エナメルの特性ですので残念ではありますが、拭いても擦っても市販のエナメルクリーナーを使っても変わりません。
写真は白いバッグでしたので黄色く見えますが、これが赤だった場合はオレンジっぽくなり、青だった場合は緑っぽくなりします。エナメルの膜が黄色っぽくなりますので黄色いフィルム越しに見える色になってしまうのです。
エナメルの「色移り」とは?
次にもう1つお悩みで多い「色移り」ですが、こちらはエナメル製品に他の革製品や色が落ちやすい物を密接して保管していると発生致します。
エナメルパンプスによくあるお悩みですが、シューズボックスに保管している時に隣が黒い革靴だった場合などですね。
距離を置いて保管していても、他の靴を出し入れしている時に押されて密接状態になり、しばらく放置していると写真のような状態になってしまいます。
これもエナメルの特性の1つで、エナメルは色を吸収しやすい素材となります。一度吸収した色はやはり落とす事が出来ませんので、消しゴムや除光液を使っても落ちる事はなく、エナメルを傷付ける事になりますのでご注意下さい。
エナメル製品は取り扱いが非常にデリケート
光沢があり高級感があるエナメルですが、非常にデリケートな素材ですので扱いは非常に難しいです。
大切にしたいから購入時の箱に入れたまま大事に保管していると、いざ使おうとして開けると変色していたなんてご相談が大変多くあります。クローゼットの中や保管箱の中は空気が動かない場所ですのでずっと保管しておくのは良くない環境になります。半月~1ヶ月に1度くらいは日陰干しをして風に当ててあげる事で少しは改善される可能性もあります。
BALLYバッグのカラーチェンジ修理
それでは今回ご紹介するのは「BALLY」バッグとなります。蓋部分は革ですのでそのまま残して、エナメル部分だけを黒へカラーチェンジして欲しいとのご要望です。
この黒にするメリットですが、先にも書いた通りエナメルはいづれ黄変してしまいます。ですが、黒にする事により黄変してもあまり目立たない事です。
黒い物に黄色いフィルムを透かして見てもほぼ黒ですよね!これと同じ原理です。
あくまでも黄変しない訳ではありませんので、その点はご理解下さい。
それではBefore写真を何枚かお見せします。
それでは次に黒へカラーチェンジしたバッグとなります。
このような仕上がりになります。
分解して染め直しをしている訳ではありませんので、革とエナメルが重なっている部分などは極力可能な限りとなります。
黄ばんだバッグなんて持ち歩けない・・・と思っている方もこのような修理をすればまた使えるアイテムになるかと思います!
捨ててしまう前に一度ご検討下さい。