革財布は使用していくうちに皮脂汚れ等により徐々にではありますが黒ずみが出てきます。
しっかり日々のお手入れをしていればそれなりに持ちますが、あまりお手入れしていないと早ければ数ヶ月、遅くとも1年程度で目立ってきますよね。
今回は、そんな「黒ずみ」の修理についてご紹介致します。
黒ずみ。落ちる汚れと落ちない汚れ
革製品ではなくとも汚れが付着した場合は落ちる場合がありますが、元の素材により落ちやすい場合と落ちない場合があります。
例えばプラスチックや金属などは汚れが付着しても拭けば落ちると思いますが、革製品の場合は上の写真のように表面がつるっとしておらず、細かい凹凸があったり、型押しされた革などは深いシボ(シワのような物)が施されている場合があります。
また、目が良い人には見えますが毛穴もありますので汚れが溜まりやすい傾向にあります。
はじめは汚れでも、放置していると油分や皮脂により次第に革へ浸透してしまい、これが黒ずみになる場合もございます。
日々のメンテナンスで汚れを除去出来れば綺麗な状態が長く保たれる事になりますが、そこまでお手入れが出来ないのものです。
基本的には乾拭きや固く絞った布巾で表面を拭き取る事や、市販の革用クリーナーを使って拭き取るのですが、それでも取れない汚れは浸透した汚れとなっている場合が多く、あまり強く拭き過ぎると表面が傷んで余計に革へのダメージとなってしまいますのでご注意下さい。
当店に修理依頼される財布やバッグも取れない汚れが多く、この場合は基本的にはリカラー(元の色に近付けて補色)をおススメ致します。
ココに注意
修理前のボッテガ財布をご紹介
それでは今回修理した財布です。財布と一緒にキーホルダーもセットでご依頼となります。
黒ずみとしてはまだ初期段階くらいですが、右側の写真を見ますと留め具の跡部分で境界線が出来ているかと思います。留め具で隠れている部分は汚れが付着しにくい為、元の色が残っている状態です。
キーホルダーの方は目視でも黒ずみが分かる部分が多くあります。金具が当たりやすい部分でもありますので表皮へのスレ等もあり、黒ずみが付きやすいかと思います。
全体的にまだまだ綺麗な方ですが、このくらいの段階で一度リカラーすればかなり綺麗になります。
修理後のボッテガ財布をご紹介
それではリカラーした後の財布をご覧下さい。
このような仕上がりになります。
黒ずみも軽度でしたので、クリーニングをして取り除ける汚れや黒ずみを除去した後に元の色に近い色で補色をしております。
黒ずみもすっかり分からなくなり、色艶もはっきりしたかと思います。
新品同様に戻すことは出来ませんが、新品が100だとして80くらいになった財布を修理すれば90~95位までには復活します。
ですが、50くらいになった財布を90にする事はまず不可能です。せいぜい75~80位の仕上がりになってしまいます。(上手く伝えられませんが・・・)
早めの修理だと仕上がりも良いですので、長く使って頂くためにも日々のメンテナンスをご自身で行い、黒ずみが気になり始めたときにご相談頂ければと思います。